料理迷人(迷い人)・千成

81歳。毎日のように、どうにもならない余命を思う。なら自然体でいこう。

ノルディックウォーキング

3年ほど前、100歳近くの母から「お前もとうとう杖をつくようになったんかい」と言われた。「杖じゃないよ。ポールっていうんや」と答えたことがある。
北欧フィンランド発祥というノルディックウォーキングを始めて5年ほどになる。週に一度、インストラクターの先生の指導で総合公園や川沿い、海辺などを1時間半くらいウォークする。老人大学の仲間や一般参加者を加えて数人から10数人の時もある。コロナ騒ぎの間も休みはなかった。「三密」にはならず、むしろ逆に自然の中を2~3m離れて歩くからだ。
まず準備運動。これがなかなか入念で、筋肉を伸ばし柔らかくなるまで10分は続く。初めはこれだけで80の身には十分こたえて「あ~、しんどい」。しかし、慣れてくると軽くこなせるから不思議だ。2本のポールをうまく使うと歩くバランスがよくなり、体幹の筋肉が鍛えられるという。娘からも「お父さん、最近姿勢がよくなったみたい」と言われ、にんまり。気付かないうちに、“効果”が出ているらしい。
料理や囲碁の趣味に加え、ノルディックウォーキングも無理をしない程度で続けようと思っている。


山賊焼き


長野県木曽郡のスーパーマーケットで「山賊焼き.」というのを売っていた。見た目はとんかつの大判。なに、これ? と思ってそのままにしていた。
別の日、JR塩尻駅付属の売店に[塩尻発祥の山賊焼き]ののぼりが立ち、「山賊焼きのたれ」が売っていたので、それを使ってつくってみましたーー。
鶏のもも肉1枚(約250g)をまるまるたれに30分ほど漬け込み、片栗粉を多めにまぶして油でじっくり揚げるだけ。あとはとんかつの要領でざく切りすれば出来上がり。結構量が多いので、2,3人前分はいける。味がついているので、何もかけずにたべられるし、とんかつとも違いなかなかの味である。
たれの成分を見ると、しょうゆ、にんにく、しょうが、混合だし、昆布エキス、調味料などと書いてある。細かくはよくわからないが、自分好みの味付けでいいのではないか。
まあ、飛びつくほどの美味ではないが、豪快なB級グルメとしては話のタネになりそうです。

煮込みスペアリブ


作るきっかけは、ウォーキングだ、と言ってもよくわからないでしょう。
実は私、ノルディックウォークのサークルに入っている。そのインストラクター、いわば先生が希望者を募ってときどき歩きに行くのが再度山(神戸市)。ウォーキング以上に参加者が楽しみにしているのが、山の中にあるレストランで出るスペアリブだ。
不幸にして?、私はまだ参加したことがないが、いつも見せられる写真は骨付き肉に黒く焦げ色がつき、いかにもおいしそうなんです。
そこで、負けずに作ってみました。オーブンで焼くのでなく、フライパンで焼き色をつけた後、大きめの鍋に肉を入れひたひたの水にニンニク、ショウガ、醤油、さとう、蜂蜜などを加えて1時間20分。
どうです、おいしそうでしょう!

木曽のおそば


長野県木祖村の「薮原」で初めての蕎麦店に寄った。
旧中山道沿いにあるお店は、まるで江戸時代の風情。ちあきなおみの『喝采』ではないが、「ひなびた町の昼下がり…」という歌詞がぴったりの雰囲気だ。
ちょっとガタピシする引き戸を開けて入ると、たたきから囲炉裏のある広い土間がある。その囲炉裏には年季の入ったでかい魚の「自在かぎ」がつき、立派な鉄瓶が鎮座している。この“景色”だけで半分、満足した。
注文したのは、鴨せいろ。すこし甘みのあるざるそばに鴨のだしが効いたつけだれ。「食いしん坊」の期待を裏切らない味だった。機会があれば一度寄ってみては。近くには道の駅やSLの展示もある。
そうそう、店名は「木曽おぎのや」(0264-36-2012)でした。

じいちゃんベーコン

ベーコンを作りつづけて20年。塩味がつよすぎたり、薄かったり、失敗を重ねて、やっと安定してきました。孫からは「じいちゃんベーコン」と言われ、調子に乗ってます。
最初に塩、醤油、黒砂糖などでピックルス液を作り、白ネギや胡椒、 ローズマリーなどを加え一週間つけこみます。数時間、水にさらして塩抜きしてからサクラのチップで3時間ほど燻煙して肉がいい色になればできあがり。半日ほど「風乾」して完成です。
手間と根気が必要ですが、当方81歳。むしろ年寄り向きの趣味かも。